ニューカマー
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このサイトには、これまで存在しない毛色の違った文体と内容を書かせていただきます。

私が、政治や福祉について考えるきっかけになった出来事の1つです。

2年ほど前、名古屋市近郊のある市で、障がい者団体のヒアリング調査をする機会がありました。
知的障がい児を持つ母親サークルの方々に、ファミリーレストランの一角で、1時間半ほど話を伺いました。
最初は、ごく明るい話が進み、徐々に苦しい胸の内が吐露されていきます。
 ○愛する子どもに憎しみを覚えてしまい、すべてが嫌になること。
 ○仕事が忙しい夫に当たってしまい、口論の末、最後は夫婦で泣き崩れたこと。
 ○子どもから目が離せず、夫婦ともに仕事が制限され、生活が苦しいこと。
多くの方が涙を流していました。どれも心の痛む重いお話でした。

こちらはプロとして準備の末、ヒアリングに臨みます。
障がい者やその家族にまつわる諸課題、行政の制度しくみ、人間的な共感の仕方まで、一通り心得て臨みます。ですから、心は大変痛みましたが、ある意味では想定の範囲内でした。

しかし、話を聴き終えて、席を立つ瞬間に意外なことが起こりました。
7人ほどのお母さんたちが、涙を浮かべて、しばらく拍手をしてくれました。
準備の成果として、つつがなくヒアリングを終えたと感じていた私にとって、
とても意外な出来事でした。
「話を聞いてもらえただけでうれしい」と涙し、「今日の話を少しでも行政施策に活かしてほしい」と懇願されての拍手でした。

店中に響き渡る拍手を背に店を後にし、しみじみと考えさせられました。
当事者の痛みと悲しみは、私などにはわからないものです。
そのことに気づかず、「 想定内」などと、自分の段取りに悦に入った自分が、
途方もなく悲しくなりました。

「わかりたいと思う気持ち」は尊いものかもしれません。
しかし、それをはき違えて「わかった気になること」が、いかに人の痛みに鈍感な振る舞いか。
拍手という好意が、心の芯に突き刺さる行為に感じられました。

情報化社会とはいえ、情報になりにくい小さな小さな声があります。
人の世の痛みや悲しみを、そっと政策論議の俎上にのせて、みんなで分かち合うこと。
それが政治の1つの使命だと思います。

読んでいただきありがとうございました。

~ニューカマー~

コメント

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u-jiro
u-jiro さんからのコメント
職業
会社員
都道府県
愛知県
頭の中だけや、紙の上だけでものごとを考えているだけではいけないという教訓でしょうか。

とかく最近の傾向をみていると、経済的な指標だけで物事を判断しているような事例が多くみられます。この傾向は、民間企業に限らず、公的な部分にも広がりつつあります。
しかし、単に数字だけをみているのではわからな部分、当事者しか分り得ない部分というのがあるのでしょうか。そのような数字に表れない部分を拾い上げるのも政治家の立派な務めであるような気がしますね。

そのためには、まずはそのような人たちに中に入り込むことが重要なのかもしれませんね。弱者と呼ばれる人たちの心に触れることで、はじめて「政治家」としての使命感が醸成されていくのでしょう。
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