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shigeo (小林茂雄)

会社役員・顧問 愛知県名古屋市港区 50代 男性

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『「日本の選挙」 衆賢勉強会雑感』のイメージ画像

久々に勉強会雑感を書きます。
今回の本は、日本の「選挙制度」に言及した本でした。

世界的な基準は「多数代表制(小選挙区)」と「比例代表制」の2方式だそうな。
いわゆる「中選挙区」は、大きなカテゴリーでは「多数代表制」に入るけど、日本オリジナルのシステムなのです。日本がオリジナルなのは、定数に関係なく「単記制」という点。通常、定数が「2名」なら「2名」の名前を書くらしいんですよね、「連記制」と言います。競馬の連勝複式みたいなもんですかね。日本は1名の名前だけ書いて(定数2の場合)2着までが当選になりますが、それは世界的には変わっているんだと。

ほほう、言われてみればそうかも、これは興味深い。
圧倒的に「人気のある候補者」がいる地区の場合、単記制と連記制では、2番目の人が変わってくるような気がします。
例えば、定数2の場合、単記制だと1名しか書けないから、普通の人は「人気のある候補者:Aさん」に入れます。公明党や共産党など、組織団体が強いところは「自分たちの候補者:Bさん」に入れます。ほとんどの票はAさんに行くから、大差はつくんですが、Bさんが2着で当選します。でも連記制の場合、普通の人も「もう一人は誰が良いかな?」と考えるわけなので、Bさんが勝つとは限りません。無所属でも期待できそうな「Cさん」になるかもしれない・・ってことです。

「選挙制度」に関しての日本と世界の比較は、あまりされていないですよね。学校の勉強でも、日本の選挙方式は習っても、他国との比較は習わないです。民衆の、政治に対する「直接的意志表示」という意味では、選挙は唯一無二の方法なので、そのルールを知ることは、やはり大事なんだと思います。

で、今回の本のテーマは、以下に集約されます。
「多数代表制(小選挙区制)」が良いか「比例代表制」が良いか。

前者は個人オリエンテッド(個人を中心にする考え方)、後者は政党コンシャス(政党を中心にする考え方)です。また、前者は最近の衆議院選挙を見てもわかるように、第1党(与党)がけっこう明確に決まります。法案成立もスピーディ、良くも悪くも政治が前に進みます。
後者は、小さい政党も議席を取れる可能性があるので、多様性という意味では良いのですが、意見の統一が難しく、政治が前に進みにくくなります。実は比例代表制のほうが、政権交代が起きにくいのです。連立政権を組むことで与党を維持してしまうからです。

「選挙制度」と「政党の存在感」はけっこう関係していて、多数代表制の場合、個人中心なので政党はあまり存在感が無く、選挙も個人で戦う、党議拘束はなし。比例代表制の場合は、政党中心、政党の力が強いので、縛りも多い代わりに選挙のお金なども政党が出す(個人の負担が少ない)ってのが、一貫性のある話だと思います。日本の場合、選挙は個人、でも党議拘束など党の力も強いという、ねじれた感じです。

日本も全体としては「政党オリエンテッド」を目指しているようですが、お金関係スキャンダルなど問題が起きると「個人の問題」にしてしまうので、まだまだ中途半端ですね。小選挙区で当選した人の方が、比例代表で当選した人より党内の立場が上など、「個人」が先で「政党」は後、という考え方が根強いようです。

作者の言いたいことは、「多数代表制」「比例代表制」、各々特徴があり、細かいルールを加えて微調整することはできるが、一長一短。大事なのは、どういう民主主義をしたいというコンセプトによる、という感じでした。まぁ、そりゃそうだ。

私は、選挙制度が大事なのはよくわかったので、多数代表制、比例代表制のどちらが良いかというより、時代や状況によって「制度自体をフレキシブルに変えられる方法」を考えたほうが良いかなと思いました。

作者の言うように、こういう民主主義がしたいのだ!だからこっちの選挙制度が良いのだ!と思っても、制度が変わるのはすごく大変。なぜなら、現行の選挙制度で当選した人が(選挙制度を)変えようとはなかなか思わないだろうし、よしんば、そういう政治家がいたとしても少数で、大多数の政治家からの反対にあって、前に進まない気がするんですよね、現実的には。だから、変えられる「仕組み」のほうを作る。

会計検査院のような独立組織「選挙制度監査院」を作るのが良いんじゃないでしょうか。
例えば、現行の選挙制度を監視、問題点を洗い出し、3年に1回選挙制度の改善点を出す→国民投票的な国民アンケートをとる→国会にその結果を提出→国会で検討・判断→法改正・・・そんな感じ。

今回の本は、けっこうアカデミックな内容だったので、読み始めはつまらなかったんですが、終わってみれば意外と良かったですね。ドイツのナチス・ヒットラーが世に出てこれたのは、ドイツの選挙制度(比例代表制)が根本にあるとか、初めて知りましたし。
みんなで話すと、けっこう盛り上がる本でした。

コメント

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mayu
mayu さんからのコメント
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大変興味深く読みました。本ではなく、雑感をですけど(^^ゞ単記制の話とか、初めて知りました。アカデミックな本ということですけど、難しい話を簡単に説明する術??が凄いですね。今後もぜひ、よろしくお願いします。
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